スマホ・パソコン依存症からの脱出 たまには「IT断食」を

最近、良く話題にのぼる「スマホ依存症」、実は、すでに今から20年前の1990年代に、良く聞かれる言葉に「テクノストレス」がありました。

「テクノストレス(テクノ依存症)」、今流にいうとスマホ依存症、パソコン依存症のことです。

この「テクノストレス」という言葉は、実は、約30年以上前の1984年(昭和59年)にアメリカのクレイグ・ブロードが提唱しています。


私はパソコン依存症で、パソコンの前に座ると、その状態から抜け出さず、パソコンにへばりつき、何時間もパソコンを触っています、休日は殆どがパソコンの前。これは、明らかに、眼にも体にも心にも悪いことです。

以上の自戒の念も含め、今回は、このスマホ・パソコン依存症について考えてみます。また、有効な対策の一つとして「IT断食」について紹介します。


最近は、子供達への影響も含め、「スマホ依存症」が大きな問題になっています。これについては、以下のブログにまとめましたので、そちらも参照下さい。

  スマホの子供達への急拡大、インターネットの危険も子供達に拡大
  http://lifesecurityup.blogspot.jp/2014/07/blog-post_18.html


なお、TwitterFacebookなどSNSが学生や社会人からどれほど生産性を奪っているか、アメリカの調査結果(2012年10月)が紹介されています。

 SNSが学生や社会人からどれほど生産性を奪っているかを表した図 - GIGAZINE
 http://gigazine.net/news/20121207-sns-at-work/


 ・社会人のうち10人に1人は仕事よりも多くの時間をインターネットに費やしている
 ・コスト換算するとアメリカでは年間約53兆円がSNSにかけられている
 ・エクササイズにかけている時間の2倍以上をFacebookに費やしている
 ・97%の大学生が日中Facebookをよく活用し、1日3時間をSNSをチェックすること
  なお、勉強に割く時間は1日2時間ほど。

この結果をみると、TwitterFacebookなどSNSに使う時間を少なくして、もう少し運動や勉強などの、スマホ・パソコンから離れた、日常の時間に使った方がいいかもしれませんね。



■ スマホ・パソコン依存症の怖さ


スマホ・パソコン依存症の怖さについて、最近、2つの記事を見つけました。

一つは、SNSTwitter中毒の男性をコミカルに描いたムービーの紹介。Twitterのフォロワー数があるとき急増した男性が、その後も、フォロワー数を増やすことに、日々専念する話です。

二つ目は、複数の研究などで判明している、「ソーシャルメディアSNSが実際に脳に与えている5つの影響」を紹介した記事。TwitterFacebookに入り込むのは「心理的中毒」と呼ばれています。


SNS中毒の現代人をコミカルに描いたムービーの紹介

次のサイトで、SNS中毒の現代人をコミカルに描いたムービーが紹介されています。日々Twitterにはまっている人には、少々ドキッとする内容です。

 Twitterに取りつかれていく現代人の末路を描いたムービー「Stromae - carmen」
  - GIGAZINE
 http://gigazine.net/news/20150408-stromae-carmen/

SNS中毒の男性、Twitterアカウントのフォロワー数は、はじめは少なかったものの、あることがきっかけで、フォロワー数が急増。

そこから、男性は、フォロワーを獲得するために様々な行動にでます。彼女ができても、Twitterをやめない男性、結局、彼女にふられた後もTwitterに依存し続けます。

この物語を読むと、Twitterのフォロワー数に依存することの危険性がよく分かります。


TwitterFacebookが脳に与えている5つの影響
以下の記事によると、インターネット・ユーザーのうち5~10%は、オンライン上で過ごす時間を自分自身でコントロールできていないそうです。

 TwitterFacebookが脳に与えている5つの影響とは - GIGAZINE
 http://gigazine.net/news/20140929-5-ways-sns-change-brain/


これはカフェインなどの物質的中毒の対角線上に位置する「心理的中毒」と呼ばれ、心理的中毒に陥っている人々の脳をスキャンしたところ、薬物依存症患者と同様の脳の損傷が認められたそうです。



■ たまには1日スマホ・パソコンを使わず、「IT断食」をやってみましょう


2015年4月9日の朝日新聞に”「IT断食」のススメ”がありました。1日だけ、IT機器を使わずに過ごすというもので、その結果、IT機器に依存していることを実感するそうです。

参考:「IT断食」のススメ 依存自覚させ、使い方考えさせて
   *2015年4月9日の朝日新聞から

この「IT断食」、夏休みの課題として、高校の1年生に「IT断食」を体験させ、1日だけ、スマホやパソコン、携帯音楽プレーヤーなどを使わずに過ごさせたそうです。そのことで、生徒自身にIT機器に依存していることに気づかせるそうです。


IT断食後に、生徒に尋ねると、「依存している」と答えた生徒が、断食前の約4割から約8割に大幅アップ。

また、IT断食後に、自分なりの「IT活用3カ条」を考えさせたところ、「食事中は使わない」「できるだけ友達と話す」「試験前2週間はツイッターのアプリをアンインストールする」などが出てきたそうです。


■IT断食

遠藤功・山本孝昭の共著「IT断食のすすめ」により知られるようになったIT断食。

主に職場において、ITつまり情報機器の導入が進み過ぎたことにより、かえって効率が落ちていることで、ITやICTの利用を遠ざけて旧来の職務スタイルを実践すること。

オフィス内でIT機器・ICT環境の利用過多によって却って低下しつつある生産性や職場の活気を奪回すること、を主眼としている。


■ネット断食

ネット断食とは、インターネットを利用可能な環境から敢えて遠ざかり、一定期間ネットなしで生活することである。

ネットがないと不安だ、ネットを使いすぎて生活が健康に支障が出始めている、といった「インターネット依存症」の傾向にある若い世代が増加しつつあると言われています。そうした背景のもと、ネット断食によりインターネット依存症を克服する取り組みが注目されています。



■ 約30年以上前の1984年(昭和59年)に提唱

■ 「テクノストレス」=「テクノ不安症」と「テクノ依存症」

「テクノストレス」という言葉は、約30年以上前の1984年にアメリカのクレイグ・ブロードが提唱しています。

彼は、アメリカの有名な最先端産業地区、シリコンバレーで早産、月経異常、アルコール依存症や薬物依存、うつ病自律神経失調症などが多発し、その背景に「テクノ不安症」と「テクノ依存症」があると分析しました。

「テクノ不安症」とは、パソコンになかなかなじめない人が無理に使いこなそうと悪戦苦闘するうち、肩凝りやめまい、どうき、息切れなど自律神経失調の症状や、うつ気分などが現れるようになるものです。

一方、「テクノ依存症」とは、パソコンに没頭するあまり、パソコンなしでは不安を感じたり、人との付き合いが下手になったりすることです。

以前は、パソコンに慣れず「テクノ不安症」になる人が多かった様に思いますが、最近は、インターネットが普及し、職場ばかりでなく日常生活でもパソコンを使う時間は大幅に増えたことで、「テクノ依存症」になる人が多くなっています。

なお、「テクノストレス」を提唱したブロードは、「テクノ依存症」の症状として下のような要素をあげています。

 (1) 自分の限界が分からなくなる

 (2) 時間の感覚がなくなる

 (3) 邪魔されるのが我慢出来なくなる

 (4) あいまいさを受け入れられなくなる

 (5) オン・オフ式の対話しか出来なくなる

 (6) 人と接することを嫌うようになる

 (7) 人を見下すようになる


パソコンに極度に依存した場合、物事を「はい・いいえ」と言った「1・0」のデジタル式で判断しがちになり、また、人とのコミュニケーションが苦手になりがちです。また、睡眠が減るような事態にも陥りがちです。

これは、まさしく、今の「スマホ・パソコン依存症」です。